第15回全日本一輪車マラソン         TOP画面
 2000/06 「からっ風」ニュース  No86   黒崎 晴夫
宿願
40歳代大会記録更新、池田憲一(13回大会2時間10分14秒)を抜き2時間9分7秒。
去年14回大会では強風の中、三度まで池田憲一を抜きながら転倒で抜返されてし
まった。この恨みはらさでおくべきか、くやしいー。という訳で今回を迎えた。

スタートは前を見てから。毎年の事だが、三列並びのスタートは号砲と同時に前
の選手が必ずしもスムーズに乗車出来るかは解らない、もう少し何とかならない
かなと思いながら、かく言う自分もかなり危うい確立である。
今回は、前列の乗車状況を見極めてから乗車、乗り損ねた選手を避けながらスタ
ート,その背中の中に池田憲一氏を認め前に出る。最初から飛ばそうと張り切る
選手が坂を上りきった堤防上で前の列の隙間に、前も空きが広がる、すでに列の
伸びが始まっている。ヘアーピンの歩道橋を渡り直線に入るといっそう列の伸び
がはっきりと表れ、遅れまいと後続の選手が前に出て行く、ここで焦って付いて
行こうとすると後が続かないので、ある程度集団の動きが落ち着くのを見ながら
走る。

平和橋下ワダチのうねりを役員の見守る中で通過、気分としては下りで惰性をつ
け上りに勢いをつけたい所だがコース上にワダチが横切っていて凹凸があるので
徐行し安全を確保、ここは毎年転倒の起こる場所の一つ、堤防上に出少し行き再
び下り砂利採石場を抜け堤防上へすでに先頭の集団は確認する事が出来ない、先
行するランナーの背中だけが点々と小さく続いている。
ここまで来ると自分の体調がわかり前を行くランナーを見ながら感覚的にはもう
少し速く走れるかなと思うのだがすでに思った以上にスピードがでているのでや
や押さえ気味で走る。

レースによる興奮と真っ直ぐな路面に感覚が鈍りやたらとハイペースになり気づ
かないうちにスピードが出過ぎたランナーが転倒する音が背後から数回聞こえて
くる。ペースは`あたり三分を切っている、このスピードは十日前まで出せなく
て最終版のトレーニングで初めて出す事ができるようになった。あまりにも直前
でこのスピードでは六`までしか走ってないので多少の不安はなくはないがこの
まま行けそうと、楽観的。
タンポポの種が中空に浮かび左から右へゆっくりと漂い絶好のレース日より、前
日、大会役員、父母の関係者がコースの隅々まで清掃していただいたおかげだ。

前後に数人づつ併走する選手が前に出ようと入れ替わる、直後に安心するのかわ
ずかに落ちるスピードの揺らぎの隙を突きお互いをけん制し合いながらお互いを
休ませない、去年までのゼッケンにはNoの他に小さく名前と自己記録がプリント
されていたが今回からはゼッケンNoだけしか解らないので誰だかわからないので
不便。

八分前にスタートしたフリー車種が南ポストを折り返して来た、名古屋の「赤塚
晃一」が先頭に立つ、10回大会では同じ集団で一緒に走りゴールのあと「おじさ
んは速いですね」と声をかけて来た二人のうちの一人だ。(何年経っても言って
やる)
一分と開かなかったろうか高木忠将が菱田美夏の後を追う形で通過、以外な展開
に「高木は疲れが残っているのだろうか?」
今年は茂野洋揮が後続の集団から数十秒先行する形で抜け出て後続を引っ張る形に。

南ポストを折り返し、時計を見る20分半ば思ったより遅いな、そうか、コース変
更で南へ125b伸びたからか。交差する後続を目で追い互いに励ましの声をかけな
がらライバルの体調をチェックする、幸田直大、少し遅れ池田憲一を確認、池田
憲一の走る姿からは精彩が感じられずペースは2時間10分台に届きそうにない、
池田憲一氏不調。我が「からっ風」の 川上長一 も不調。

通過タイム59分30秒目標通過タイムより30秒速く、去年10月埼玉マラソンで出し
たタイム60分59秒より≒1分30秒速い、埼玉マラソン同クラスでは1位だったが、
すでに30数名が先に通過してさらに5―8人が前後に競い続けている、それが
長野大会の凄さなのだ。それでもここまで走るとより鮮明にゴール時間がイメ
ージ出来、同行走者にも「2時間6分のラインがそこにある」言い切り快調に走
る、南ポストを折り返した直後僅かな向かい風を感じたがすぐに収まる。

転倒33`を過ぎ本部前通過、そろそろスパートを掛けなければ・・・・と考えて
いた矢先、堤防を上りきった直後タイヤの捻る感触が体に伝わる、直後、背中か
ら転がる勢いで転倒する、どう転んだか判らないが右ひざと両肘の擦り傷を見て
受身で頭をかばい前回りに転がったに違いない。痛みより先に傷の程度を見ると
サポーター越しに撃ち付けた膝は血がにじむ程度、サポーターが打撃を和らげた。
たまたま堤防を上ってきた近所の住人が心配そうにこちらを見ている。競いつづ
けていた選手の背中は粟佐橋下に消えた。あせる心を抑えつつ再乗車を試み三度
目で走りだす。

その間にも先頭ランナーは次々と本部方向に通過しているがもはや目に入らない。
北ポストを回り切った先で追いついた一人から「まだ六分代?」と聞いて来たの
で「七分代後半」と答えながらペースが明らかに落ち彼らを抜く時期が来た事を
知る。

前を走っている一団が五人、その先に少し離れ十数b先行するランナー、その背
中を目指し列の前に、これまで何度か前に出たのはペースの変動を維持補正する
為だった、もうその必要はない、年齢が半分以下の彼らと最初からスピードで抜
き去るのは難しくても、疲弊してペースが下降しつつあるランナーを抜去るのは
案外と容易い、ただそうなるまで35`以上の距離が必要だったし、もちろん事前
の準備とトレーニングも欠かせない。
頻繁にすれ違う中に池田憲一、幸田麻希(直大は先に行ったか)を確認、対面する
後続の選手に声を掛け合いながら粟佐橋下のクランクを無事通過しこのペースな
らゴールは7分代半ばに届くな、と思いながらも一抹の不安も。

怖いのである、ヘアピンカーブが、さっき通った粟佐橋下も対面する選手が一時
途切れた間に通過出来たから良かったものの二〜三人一度に来られたら落車して
いたに違いない。まだこの先にはヘアピンカーブを半端ポストの往復で二度通過
しなければならない。去年と同じ寸法のクランクで走っていても南北のポストを
折り返す時に感じる危うさの違いは何か、ハッキリしているのはどんな時よりも
速くゴールしょうとしている所に妥協点はない。次々とゴールするランナーに沸
き立つ本部前を通過して坂道を登る橋上のヘアーピンをふら付きながら渡り半端
ポストを回り目印のリボンを受け取りタスキ掛けにして、橋を渡りちょっと堤防
を走って下ればゴールだ、心なしか歓声が聞こえて来るような気がする。

ほんの少し余計に真っ直ぐ行って広い車道の橋を渡れたら・・・・・と思いなが
ら直角に曲がりコースの歩道橋へ、よろめきながら橋の三分の二辺りまで来た所
で落車、後続を避け橋を渡りきり移動して再乗車をするが乗れない、足を掛けサ
ドルにまたがり一回転もしないうち足がペダルから離れてしまう。せっかく追い
抜いたランナーが次々と行ってしまう(落車したランナーを抜くのは易しい) 
心配した役員が肩を貸しに寄って来る、出来れば役員の手は借りたくない、と普
段思っているが、それ処じゃない、肩を借りペダルに両足を掛けサドルに乗って
漕ぎ出すが2bと進まないうちに落車、膝がぐにゃぐにゃなのだ、もはや自慢の
時間感覚も麻痺して何分経ったか判らない。十数b先の堤防の曲がり角に5〜6
人役員か応援か判らないが心配そうにこちらを見ている。そうだ去年もその前の
年も人は変わっても同じ場所で変わらず見守っていた。そう思うと少し落ち着き
再乗車してゴール記録2時間9分7秒。

今回は、特別チームの支援を受け明細な記録を採っていただきました。
添付の自己解析でも触れていますが。各区間では2時間6分台に届くタイムを記
録しながら技量不足の転倒落車をしてしまいました。ロスタイムより技量不足の
転倒が悔しい。

  name.   Haruo  Kurosaki
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